『あわいゆくころ』

この本について

著者が東北を旅し、やがて居つき、そこで見たものをTwitterや作品展を通して内外へ発信していった7年間の記録。

クラウドファンディング - READYFOR (レディーフォー)で資金を集めていた。

著者の瀬尾夏美さんについて

東京の美大生だったが、東日本大震災に驚き、友人と現地へ。

陸前高田市に魅せられて移住し、働きながら、製作をつづけ、各地で展覧会を行う。

仙台に移り住んだ現在も陸前高田市に通っている。

感想

この本には、書物・文献からの引用はない。

すべて、著者自身の紡いだ言葉と、彼女が聴いてきた話で構成されている。

人々の暮らしがまるごと流された土地で、生き残った人たちは何を語るのだろうか。

すすんでいく復興作業のかたわらで、そこに生きてきた人たちは何を思っているのだろうか。

その言葉の美しさに打ちのめされる思いがする。

瀬尾夏美という人はいったいどれだけの人の話をしてきたのだろう。

そして、その背景にはどれだけの声なき声があったことだろう。

この本には、あまりにも多くのことが書かれていなくて、この紙の裏にはあるのだろうかと頁をめくらずにはいられない。

言霊というものがあるのなら、たぶん、それは文字にならないものから立ち上がってくる。

また、時間を置いて読もうと思った。