『革命』を読んだ。
感想
革命道中という歌を聞いた。
流行りのアニメの主題歌らしい。
革命道中だって君に夢中
という歌詞はいかにも日本人の心情に合っていそうだと思っていたところ、本書『革命』が来た。
せっかくなので、夢中で読んだ。
閑話休題、革命は成すこともあれば、成らないこともある。
本書によると革命には「圧政からの英雄的な解放」という見方と「秩序を破壊する暴徒の噴出」という二つの相反する側面がある。
著者によると、革命とは政府の転覆、大衆の動員、社会正義の追求、新たな政治制度の創設という四つの要素すべてを兼ね備えた現象を指す。
貧困や不平等そのものが直ちに革命につながるわけではなく、貧困や苦境が不可抗力ではなく体制の無能・腐敗のせいであると認識され、かつ、エリート層自体が体制を見限ったときに革命が起こるという。
もちろん、革命には問題もあった。
革命は「平等」を掲げたが、新体制下ではマイノリティがスケープゴートにされたり、革命に貢献した女性が再び家庭に押し戻されたりすることが歴史的に繰り返されてきた。
革命はまたしばしば内戦や国家間戦争を引き起こし、甚大な犠牲者を出してきた。
しかし、それでも数多の革命の積み重ねの上に今日の世界がある。
今後の世界もまたさらなる革命に次ぐ革命の果てに訪れるのだろう。
本書は古来からの東西の革命を眺めて、実に多様な革命の姿を描き出す。
人間が社会的な生き物なら社会を変えようという革命もつきものなのだということがわかる。
それは社会は良くなると思わせるには何が必要なのかのカタログだ。
未だ、革命の道中なのだ。